自己表現しつつ英語を勉強 Express Myself And Study English

ゲーム、プログラム技術、スッタニパータについて日本語と英語で書いていこうというブログ About games, programming, and Buddhism written in English and Japanese

英語学習を継続するためのポイント その1「まずボキャビル用教材をやめる」

『英語なんて言葉なんだ。やれば誰だって出来るようになる!』というのは安河内先生の名言ですが、これは事実だと思います。英語はやればやるだけ脳が英語に最適化されていきます。これは脳が本来持っている自動的な学習機能なので、あんまり工夫のしようもありません。とにかくやれば良いのです。

これはもちろん、「英語をやれば」英語脳が育つということです。世の中には英語の勉強のように見えるけれど、英語脳が育たないものがたくさんありますので、そういったものは避ける必要があります。

たとえば英単語の丸暗記です。これは英語脳を育てません。英単語は10回ほど違った文脈で使われているのに出会うと、自動的に記憶されるようになっています。逆に文脈がなく、ただ知らない英単語を丸暗記しようと努力しても、まず覚えられません。また、英単語の日本語の訳語を暗記していても、英語脳からは使えませんので役に立ちません。

英文をたくさん読み、知らない単語はその都度調べる、というのを繰り返し、同じ単語に10回出会うまで続けます。そうすると英単語は覚えられますし、英語脳も鍛えられます。一石二鳥です。

前回書きましたように、英語を覚えるというのは、英語表現が使われた局面を蓄積していくということです。英単語に10回出会い、10の局面を蓄積すれば、脳の自動学習機能により単語の感触が自然に想起されるようになります。英語脳が勝手に駆動し、単語の意味を理解して処理してくれるようになります。これはボキャビル用教材にある、英単語の日本語の訳語とちょっとした例文を、読んだり聞いたり書いたり暗証したりといったことをいくら繰り返しても、たどり着けるものではありません。

 

*本当の頻度順でボキャブラリーを増やすには

 

「高頻度で出てくる基礎単語から覚えるべき」というのは間違いではありません。しかし、ボキャビル用教材にある高頻度とされる単語はおよそデタラメです。コンピュータで解析すれば単語が出てくる回数は調べられますので、統計的には正確かもしれません。しかし、単語には複数の意味があって、高頻度で出てくるものもあればほとんど出てこないものもありますし、単語の本来の意味とは違うものに変化するイディオムもあります。

世の中にはさまざまなボキャビル用教材がありますが、レベルによって基本的な意味しか書いてなかったり、まず出てこないような意味までカバーしていたりします。しかし低頻度で出てくる細かい意味まで覚えるなら、もっと覚えたほうがいい単語が他にたくさんあると思いますし、基本的な意味だけでは、応用的な使い方をされる単語には対応できません。レベル別12000語という有名な教材を見たことがありますが、私も知らないような単語がたくさんあったり、私にとって基本的な単語が全然入ってなかったりで、全く良いものには思えませんでした。特にその教材が悪いというのではなく、どの教材も大同小異で、丸暗記用教材としても出来がよろしくない、これをやったところで英語が読めるようになるとは思えないものばかりです。

そしてなにより、どのボキャビル用教材もイディオムにはまともに対応できていません。高頻度に出てくるイディオムが網羅といわずとも、ある程度カバーされてる教材を私は見たことがありません。単語なんて長押しして検索するか、設定次第では長押しするだけで意味が出てきますから、英語を読むために暗記しておく必要は特にありません。本当に英語を読むために必要な知識はイディオムの方です。これがまともに勉強できないのではやる意味がありません。

普通に英文を読んで、わからない単語やイディオムをその都度調べていれば、高頻度に出てくる表現には高頻度で出会い、早く覚えられます。普通にやっていれば、頻度順に必要な知識が自然に身についていきます。ボキャビル用教材なんてやるのは本当にバカバカしい、英語脳を育てず、苦痛であり、見返りが少なく、英語学習をやめさせてしまう一番の原因だと思います。いますぐやめましょう。自分が読める英文を探し、読み始めましょう。

しばらく続けていれば、基礎的な単語に10回出会い、基礎的な単語は感覚で理解できるようになります。多くの英文は基礎的な単語で構成されていますので、多くの英文がスルッと理解できるようになっています。あとはそれを続けていれば、次第に中級、上級の英文もスルッと理解できるようになっていきます。『英語なんてやれば誰だって出来るようになる』のです。

ただ、一番つらいのは、基礎的な英文もスルッと読めない、最初の時期です。ここさえ越えてしまえば後はどうとでもなります。ここをどう乗り越えるかが次のテーマとなります。