自己表現しつつ英語を勉強 Express Myself And Study English

ゲーム、プログラム技術、スッタニパータについて日本語と英語で書いていこうというブログ About games, programming, and Buddhism written in English and Japanese

コントローラに関するCPTルールの更新について調べた

ストリートファイターVのプロツアーでは使用できるコントローラについて厳密なルールがありませんでしたが、今回追加されました。私が抱いていたキーボードについての懸念にも120%応えられていて個人的には大満足です。まあキーボードについてはおそらく世界で数人ぐらいしか気にしてないと思うので、今回その話は割愛して本筋であるコントローラの制限について調べたことを書いていこうと思います。

新ルールでは左右同時押しに関しては「両入力の維持またはニュートラル」上下同時押しに関しては「両入力の維持またはニュートラルを推奨するが、上優先も可とする、ただしこの特例はいつでも破棄できる」とのことです。

https://capcomprotour.com/rules/?lang=ja

左右の方向キーが同時に入力された場合は、両方の入力を維持、もしくは両方の入力を不成立とする必要がある。

  1. 同様に上下の方向キーが同時に入力された場合は両方の入力を維持、もしくは両方の入力を不成立とすることが推奨される。しかし、上方向のみの入力として出力されることは、ファイティングゲームコミュニティやCPTの運営の歴史に鑑みると排除されるべきではないため、特例的に認める。ただしCAPCOM MVはCPTにおいてこの特例を破棄する権限を有す。

まず「両入力の維持」についてですが、実際に両入力を維持した場合にどうなるかを「PS4でキーボードが使えるアダプター」を用いて調べてみたところ、十字キーでは「左右、上下ともにニュートラル」アナログスティックでは「左右は前優先、上下は下優先」となっていました。(Edit:アナログスティックについて、後に2P側で試してみたところ、前優先ではなく「1P側、2P側ともに右が優先」でした。お詫びして訂正させていただきます)

ただし、アナログスティックをボタンに割り当てるのは禁止されました。

 

  1. 移動行動ができる方向キー、レバー、移動ボタンと、アナログスティックは共存して設置することができる。ただしアナログ入力による移動行動はアナログ情報のまま入力を行わねばならない。例えば、アナログスティックをボタン化したりレバー化したりする等の機械能力の変換を行うことは認められない。

なので問題になるのは、十字キー同時押しで発生するニュートラルということになります。

スト5の十字キー同時押しで発生するニュートラルはただのニュートラルではなく、非常に悪用しにくいニュートラルだということがわかりました。たとえば、標準ヒットボックスやキーボードで可能な最速昇竜拳 https://www.youtube.com/watch?v=wy2QRCRI16w

右押す、下押す、上押す、パンチ

これは、キーボードやヒットボックスでは、下と上を同時に押した時に上が優先されるので、

右、右下、右上、パンチ

という入力になり、最速で昇竜拳を出すことができます。

これが上下入力でニュートラルになるだけならば、右下のあとに上を押した時に下と上がキャンセルされて右だけが残り、右、右下、右、パンチになります。これでも昇竜拳は出ます。

しかしスト5の両入力維持によるニュートラルでは、下と上があわさった時に完全なニュートラルになり、右入力も消えます。右、右下、ニュートラル、パンチなので、昇龍拳は出ません。

ヒットボックスで可能な高速波動二回入力 https://www.youtube.com/watch?v=hEmESbqv2Ng

これは右を押しながら左下を二回押してパンチ、というもので、このとき右を押しながら左下を押したとき、右と左がかちあってニュートラルになり、下だけが残ります。なので下、右、下、右パンチとなり、波動二回コマンドの簡易入力が成立します。

これもスト5の両入力では、右と左が合わさった時に完全なニュートラルになりますので、右、ニュートラル、右となり、この段階でステップが出ます。

この両入力維持による「完全ニュートラル」は非常に良いアイデアなので、ルールとして採用したほうが良いと思います。現在のコントローラ側でのニュートラル化も認めるルールだと、最速昇龍拳がちょっと強すぎる気がします。

ヒットボックスでは波動コマンドがやりにくいというのが弱点なのですが、仮に上下をニュートラルとした場合には、下押す、右押す、上押す、パンチと入力することで、スムーズに波動拳が出てしまいます。ヒットボックスの上優先設定はその有利を意識してのものではないかと思いますが、完全ニュートラルにすればその入力も防げます。

「完全ニュートラル」設定でも防げていないのが、高速ステップ入力

右押す、左押す、左離す

によるステップです。右と左を押した時にニュートラルになり、その後左を離すと右入力になるので、「完全ニュートラル」設定でもステップが出ます。

これは、ウメハラ氏が実践している「ピアノ押しステップ」https://www.youtube.com/watch?v=OlSvxZLAExY

と比べた場合、同等かおそらくピアノ押しの方が早いので、高い練度と引き替えにですがプロレベルで確実に有利になる要素といえるかは微妙です。離す入力は押す入力と比べると遅く、またタイミングも測りづらいのが弱点です。

最速昇龍拳が「完全ニュートラル」で封じられても、早く昇竜拳を出す方法はいろいろあります。簡単なのは

右押す、下押す、下離す

です。右、右下、右、パンチとなり昇竜拳はちゃんとでますが、離し入力とパンチを安定して同時押しするのは難しく、同時押しに失敗した場合立ち上がってしまうため、攻撃を受けてしまうという問題があります。なので、

下を押しながら右をピアノ押し

の方が安定して昇竜拳対空ができるのではないかと思います。

他に、ガイル使いにとって生命線となりうる要素「引きつけサマー」https://www.youtube.com/watch?v=7eQmILqHG0k

があります。これは上下がニュートラルになった場合ほぼ不可能ではないかと思います。キーボードやヒットボックスのような上優先の環境では、下を押しながら、上とキックを同時押しすることで、ニュートラルを経由せず、立ち上がることなくサマーソルトキックを出す事ができ、めくり飛びも落とすことができます。

これを上下がニュートラルになる環境で実現するには、下を離すと同時に上とキックを押す事が必要になります。不可能ではないと思いますし、もしかするとプロならば安定できるのかもしれません。

今の所は、純正ヒットボックスが特例的に認められてる状態ですが、ルールに書かれているように今後どうなるかはわかりません。

私が気づいた範囲は以上になります。英語版はかける気がしないのでやめておきます。I won't write the English version of this article thanks to my incompetence.